マイナスネジと前の住人のステッカー、古い家の気配
今の家は築35年の中古住宅で、ちょうど私と同い年くらいです。 予算の都合で駅から遠い山の上になったというのもありますが、そもそもピカピカの新築ではなく、なぜこんな古い家を選んだのかという話をします。
実は今の家に引っ越す前、私たちは築60年くらいの市営住宅のような、かなり古い団地に住んでいました。 そこでの生活が長かったからか、私はあのガタガタした古い建物の雰囲気がすっかり好きになっていました。長年の使用でアメ色がかった建具や、今のプラスネジではなく昔の「マイナスネジ」が使われている金具の造形を見ると、良い時代のものづくりだなと愛着が湧くのです。
家探しをしているときも、リノベーション済みの綺麗すぎる物件にはあまり惹かれませんでした。
今のこの家を内見したとき、柱に背比べをしたような傷が残っていたり、前の住人の子供が貼ったであろう古いステッカーがそのまま残っていたりしました。人がそこで生きてきた「気配」がちゃんと残っている感じがして、それがすごく気に入ったのです。
不動産としての価値は低いのかもしれませんが、新築のツルツルした空間にはない、時間が作った手触りがあります。リフォームで壁をぶち抜いたり無垢床を張ったりはしましたが、そういう古い気配の部分はあえて残しつつ、自分たちの手で少しずつ上書きして楽しんでいます。
今回はこのあたりで。 今日も楽しみましょう。