6月6日、製作したツール「Navicraft」を窓の杜様に取り上げていただきました。
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/digest/2115396.html
HTMLやPython等の基礎知識を学びつつ、今年の3月ごろからAIでのツール作成に着手しました。当サイトも「antigravity cli」で作っていますし、公開している各種ツール類もすべてAIで作成しています。
以前は「スタッドレスタイヤが車両と適合するか」といった簡単な応対にAIを活用している程度でした。まさか自分が本格的なツール作りやWEBサイト運用までするとは思っておらず、できることの幅が広がって自分でも変な感じです。
当サイトでは、Navicraftをはじめとする各種ツールの公開はもちろん、プログラミング未経験の私がAIを使ってどのように開発を進めているのか、そのノウハウやプロンプトのコツなども備忘録として発信していきます。AIでのツール開発に興味がある方、これから何かを作ってみたい方の参考になれば幸いです。
なぜ、自分でツールを作るのか?
「将来この仕事がなくなったらどうすればよいか」と、ふと考えることがあります。
我々は平日の膨大な時間を会社員生活に費やしています。しかし、会社で得た成果はあくまで「会社の資産」であり、自分個人の資産としては蓄積されません。もちろんそれを承知で会社員をしていますし、すぐに転職する気もありませんが、「将来の自分がこのままである」と自分で決めてしまっているような、妙な気持ち悪さがありました。
とはいえ、プライベートで「自分の色」をうまく発信する術も持っておらず、帰宅後や休日は疲れてしまって、自分の時間を取ることもままなりません。
そこで私は、「仕事の現場で感知した課題を解決すること」から着手することにしました。 仕事の現場は、日々の不便や課題の連続です。自作ツールでそれを解決できれば効果は絶大ですし、何より同僚(利用者)の生の声を常に確認できます。
今は、簡単なツールであればAIを使って一瞬で作成できる時代です。普段の「困ったこと」を感知し、対応策をいかに具現化するか。その経験で培った「製作フレーム」を自分の資産として蓄積していけば、必ずプライベートでの活動にも役立つはずだと考えています。
Wordでのマニュアル作成、限界を感じていませんか?
そうした背景から、私は「職場で直面した課題を解決するためのツール」を作成しています。今回窓の杜様に取り上げていただいた「Navicraft」もその一つです。
例えば、複数名の部下に業務マニュアルの作成をお願いしたとします。組織として統一された様式がないと、それぞれが独自の記法で作ってしまいます。私自身、WordやOneNoteなど色々なツールを試しましたが、どれもうまく定着せず、記載内容の粒度や水準を合わせることに苦労してきました。
Wordでマニュアルを作る際の実務を思い浮かべてみてください。
- 操作するアプリの画面をプリントスクリーン(画面全体コピー)で撮る
- Wordに右クリックで貼り付け、再度右クリックでトリミング
- その横に文言を添えていく
- 追記するたびに文章が長大になり、ページ区切りも都度改行で調整する
作る側にとって非常に苦痛な作業ですし、引き継ぐ側が参照するときも、マウスホイールを延々と回して読まなければなりません。何より、組織として一定の品質を保つための「校正」が非常に困難です。
ショートカットキーを習得させて負担を軽減するというアプローチもありますが、それは「担当者が変わればまたゼロにリセットされる」という属人化の課題を孕んでいます。
「便利機能」をフックにして、組織を統制する
こうした「労力を割き続けている課題」を解決するために作ったのがNavicraftです。
Navicraftでは、画像の貼り付けをスクショ機能で簡略化し、文章の統制はAIに担わせることで、作成のハードルを大幅に下げました。フローチャートも簡単に作成できます。 反復して実施する機能(面倒な手作業)を「ボタン化」して置いておくだけで、現場の作成への抵抗感は随分となくなるようで、当アプリは職場で非常に好評を得ています。
個人の利便性を向上させる「便利機能」をフック(きっかけ)にして、結果的に組織全体のフォーマット統制を実現する。これがNavicraftの大きな狙いです。
AI時代の「ツールの賞味期限」と、手元に残る本当の資産
現在、AIの進化スピードは凄まじく、「せっかく作ったツールも、数ヶ月後にはAIの標準機能やOSに組み込まれて不要になる(当面しか役立たない)のではないか」という懸念を持つ方も多いと思います。もはや、マニュアルすら自作しなくてもAIが全自動で作ってくれる時代が来るかもしれません。
ただ、現実の現場には「まだAIがなく、自力で対応している世界」が確実にあり、そこには明確なニーズが存在しています。
また、ツールの賞味期限が切れることは全く問題ではありません。 本当に価値があるのは、完成したプロダクトそのものよりも、「目の前の課題を検知し、AIを駆使して自ら解決策を実装した」という経験と、思考のフレームワークだと私は考えています。
ツール自体は陳腐化しても、変化の激しい時代に「自分の手でアジャストして形にした」という手応えは、次の新しい技術の波が来たときに必ず自分を助ける武器になります。
当サイトでは、今後も非エンジニアがAIを使ってどのように時間を捻出し、モノづくりをしているのか、その泥臭いプロセスをリアルタイムで発信していきます。
「自分にも何か作れるだろうか」と迷っている方は、まずは手元の小さな不便をメモすることから始めてみてください。私の試行錯誤が、一歩を踏み出す参考になれば幸いです。
では、このあたりで。
今日も楽しみましょう。